2017年7月8日土曜日

ランシュ放浪記~ビワイチ バイク編 ’17.7.5

7/4(火)
 京都、滋賀の天気予報を幾度となくチェックする。土砂降りの新潟から向かった大阪伊丹空港は曇り。いつ降り出してもおかしくない鉛色の空が広がっていた。
 5月中旬、僕は会社の研修日程に合わせて、ロードバイクでビワイチ(琵琶湖一周)することを思いつき計画を立ていた。1人で200km近くバイクを漕ぐ機会はそうはない。それを全く知らない土地でやるのもアリじゃなかろうか、そうだ、やってみよう!
 半ば衝動的だった。なのに、いざこうして実行が怪しくなると、とてつもなく重要な機会を逸すようで、いつまでも諦めがつかないでいた。
 時間の経過と共に、滞在している大阪では雨が降り出し、次第に雨脚は強くなる。
 僕の計画を知る同行者は、空を見上げるようにして
「台風が雨雲を全部さらっていけばいいのに」と一言。
 あっ、それっ!その可能性に遅ればせながら気がついて台風情報を確認する。一条の光が射したようで、それは強い期待へと変わる。
 その言葉の通り台風が通過して時間が経つにつれ、京都、滋賀の天気予報からは傘マークがおもしいろぐらい消えていった。
 京都へ移動してホテルにチェックインする夕方頃には、翌日の天候は朝方を除き殆ど心配はなくなっていた。

 7/5(水)
 朝5時。予定よりも30分早くホテルを出発。近所のコンビニで行動食を調達し、店を出ようとするとポツリポツリ雨が降ってきた。
 アスファルトの水溜りに落ちる雨粒を見ながら、パンをほおばり雨が上がるの待った。それはほんの束の間のことで、雨粒の数がみるみる減っていった。
 よし、行こう。 僕はバイクに跨った。

 京都御所を過ぎ県道30号線、滋賀越道から山中越を通り、滋賀県大津市を目指す。
 住宅街から徐々に上り坂が始まる。思っていた以上に強い勾配で、山道へ入って早くも顎が出そうになる。想像以上の峠道だ。
  上り坂は比叡山ドライブウェイの入り口まで続き、やっとの体でピークを越えた。そこから濡れたアスファルトをブレーキをかけながらゆっくり下っていくと、突如、それとわかる湖が横たわっているのを垣間見る。雲の切れ間から光が湖に差し込んでいる。思わず声を上げた。

大津市側から望む比叡山。


 国道161号線、琵琶湖を右に置きながら、西近江路を北上して琵琶湖大橋へ。


琵琶湖大橋から望む琵琶湖

  県道559号線、湖岸道路に沿ってサイクリング専用道と本道を行ったりきたりしながら湖東をひたすら北へ向かう。早朝でも車通りは少なくはなく、かたや専用道は凸凹が多くスピードを出すのが躊躇われてしまう。

 近江八幡で湖岸をぴったりとトレースするコースへ出る。岸壁の特徴的な岩に名前を記した看板が立っていた。
 多少のアップダウンのある湖岸の森林道の中を、僕はバイクを滑らせるように進める。そこまでの憂さを晴らすようにペダルを回した。辺りには僕のタイヤのすれる音だけが響いている。

近江八幡、沖島。



 8時過ぎに彦根へ。実働3時間で最初のコンビニで休憩を取る。


各コンビニにバイクラックが常設

スタートから100km。湖北へ向かう

 彦根を過ぎて米原、長浜まで来ると交通量は減り、思う存分本道でペダルを踏むことができた。何度も思ったことだが、これで天気が良かったら、もう何も言うことはないだろう。

  湖北の県道44号線は国道8号線と交差するのだが、国道と並走する県道514号を選択すると、車通りの少ない安全なルートを取ることが出来る。
 賤ヶ岳のロープウェイを横目に山道を上がりトンネルを抜けると再び湖の視界が広がる。ここで漸く陽が射してきて、眼前に広がる湖の青色と木々の緑のコントラストに心が踊った。



  前日の雨の影響で県道557号線にて崩落があり、予定ルートの一部が通行止めになっていた。湖北のグッドロケーションと聞いていだけに残念。お陽さまも出てるのに。
 仕方なく国道303号でショートカットして、県道54号の湖周道路へ向かった。

 高島の湖周道路はずっと同じような景色が続き、正直言ってものすごく飽きる。休憩を取るようなポイントも見当たらないのでひたすら進んだ。さらに南下するごとに雲行きが怪しくなり、時々雨粒が当たった。
 湖州道路が途切れると国道161号線に合流する。車の交通量は半端ないが自転車の走るスペースは辛うじて確保されているので安心して進むことが出来た。途中、白髪神社で休憩を取った。

白髯神社の鳥居
 JRの高架線路と併走するコースを進みながら、道の駅の琵琶湖大橋米プラザを目指した。小雨が降る中、道に迷いながら12時半頃に道の駅に到着。ここを起点とするビワイチ150kmコースの達成だ。


道の駅

 再び京都へ。山中越をやり過ごすコースも考えたが、今回のサイクリングの締めとして、再度挑むことに。選択は間違いではなかったが、姿勢やサドルポジションをこまめに変えれずに、比叡山の入り口までは、ただただ苦行でしかなかった。

比叡山へ向かう坂の途中から

 ピークからの滋賀越道はひたすら下り。ここがなかなか長い。朝、ここを登ってきたのねーと改めて坂嫌いの自分に感心する。
 京都市街に入ると完全にサイクリングモード。銀閣寺、平安神宮を経由しながら烏丸通りの宿泊先を目指した。
 15時、ホテルに到着。
 走行距離212km、実働8時間25分 所要時間10時間。
 単独では初めての距離と時間だ。スタート時はコースの情報が希薄だったので、不安な点が多かったが、「ビワイチ」の為に施されている様々な工夫、専用道や案内表示の存在はもとよりサイクリングへの理解のおかげで無事に乗り切ることが出来た。安心してサイクリングを楽しめるコースだ。もしかしたら2度目があるかも、その時は湖北のコースをもっと攻めたい。それじゃ、じゃまたね!(了)

0 件のコメント: