2017年6月27日火曜日

第32回みなと酒田トライアスロンのこと

 まず結果から。
 2時間32分36秒 (スイム27:34 バイク1:14:18 ラン50:45)
 総合66位/完走264人・年代別5位/37人
 スイムとバイクはほぼ予定通り。自信のあったランが不甲斐なく、目標とした2時間半以内の走破に及ばずでした。

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 6/25(日)当日。午前3時前に目覚め、やおら身支度に取り掛かる。前日に荷物はすべて車の中に詰め込んで、あと必要なものといえば僕自身ぐらい。
 ふるまいカレーが食べたいから行くという長男と、酒田行きが義務化している家内の運転で夜明けの道を走り概ね2時間、AM5時半には酒田市に到着する。

 良く晴れていたので、僕は途中で車を降り、自走で会場を目指すことにした。街や港は早朝ということもあって車通りは少なく、ひっそりとした雰囲気に包まれている。
 防砂林の上に顔を出す風力発電のプロペラを見ながら会場への道を辿る。酒田港にまぎれ込み、船溜り、積み上げられたコンテナヤード、鉄道軌道を通過する。港湾施設の四つ路に立てられた「歓迎・みなと酒田トライアスロンおしんレース」の幟に目を奪われ、ふと気がつけば、そこはランコースの折り返し地点、見慣れた道路に出ていた。

 会場で受付を済ませ駐車場へ向かう途中、振り返ると見覚えのある車両が会場へ向かってくる。ペダルを踏んでいるとその車の助手席から声を掛けられる。アベタケ先輩だ。あーやっぱり鉄女ママの車だった。前日入りしていた2人に挨拶をする。

 酒田のトランジションは2ヶ所に分かれていてバイクからラン、次いで2kmほど移動してスイムからバイクのトランジションに荷物をセットする。
 トライアスロンに参加するごとに要領を覚え、過不足なく準備出来るようになった。特に酒田はサポートしてくれる家族のお陰もあって潤沢な準備が可能だ。
 用意を済ませ、僕らは浜辺に移動、大会説明とアンクルバンドの配布を待つ。浜を走る選手がチラホラみえる。僕は手持ち無沙汰もあり、彼らを真似るように砂上を走って時間をやり過ごした。

 スイムチェックが始まる。アナウンスの海水温は20℃、迷わずノースリーブのウエットを選択。海水の視界の悪さは相変わらずで、海水は少し冷たく感じた。泳いでいれば気にならない、そう思うことにして浜に上がる。
 アナウンスに促され飲料水を口にしながらスタートを待った。レース直前のほどよい緊張感は嫌いではない。深く息を吸っては吐き、迅る気持ちを落ち着かせる。

 そうしてレースは幕を開ける。AM8時32分僕は第2ウェーブでスタートした。
 スイムのコースは直角三角形のような形状をしている。前から2列目のほぼ真ん中、バトルを受けて立つつもりで位置を取る。
 スタート直後からしばらくの間なかなかのバトルが繰り広げられたが、1つ目のオレンジのブイを折れ、向正面に出るとそこからはほぼノープレス。僕は外めにコースを取り、2つ目のブイを目印にして水をかいた。
 息継ぎをするたびに塔のようにそびえる風力発電機が視界に入る。今年もまた、ここを泳いでいるんだなぁと思い不思議と気持ちが落ち着いた。僕はコースのやや外側、距離的なロスを生じるが気持ちよく泳ぐことを優先した
 明らかに波を感じる場所に差し掛かる。今期スイム教室で先生から教わったドッグスカーを意識する。出来れば波の流れに逆らいたくはない。ちょっとでも楽に泳ぎたい。プルのイメージは浅め。肘を立てかいた水を身体に引き寄せて2軸上に乗せて最後までプッシュする。この反復が力みを抜いてくれる。
 2つ目のブイを折れると、つぎは浜辺のピンクのブイが目標になる。ここではかき手数をちょっと我慢してストレッチングタイムを伸ばすことを意識する。こんなふうに1周目は泳ぎながら修正をかけていった。

 2周目。安田大サーカスの団長さんに気がついた。しばらく彼と並んで泳ぐ格好になったが接触することがしばしばあったので頑張って振り切った。
 ブイを折れて向正面へ。今度は内側に入るように意識する。2つ目のブイまでは2ストローク1ブレスでストロークあたりの距離を伸ばすようにして、泳ぎが単調にならないように工夫をする。
 ラスト、浜まではかき手のピッチを上げて全力泳へつなぐ。ギリギリまで泳いで立ち上がると、重力に晒された身体はやたらに重く、砂浜に脚をとられる。よろけるように浜を駈け上り、デジタル時計の29分台の表示を目にして安堵した。

I藤スポーツ撮影

 乗車ラインを超えてバイクに跨る際、予めペダルに装着した靴を履くのに手こずってしまう。焦る気持ちを抑え、まずは気持ちよくペダルを回すことに努める。
 昨年はハナっから力んでしまい、スピードに乗るのにてこずった。その経験からこの継ぎを滑らかにすることが僕のバイクパートのクオリティーを上げるポイントだと考えた。頑張るのはペダリングに身体が順応してからでよいのだ。後続に抜かれても焦らない。ちょっと重く感じるギアを回しながら補給を入れ、やんわりピッチを上げようと、ハムに力が入る。

嫁スポーツ撮影

  バイクアップの目標は72分(トランジション抜き)。按分すれば1周24分。
 1周目の復路からはサイコンを経過時間の表示に切り替える。1周目は25分、2周目は48分。よっしゃ予定通り。
 バイクパートはDHバーでかなり楽をさせてもらった。これは今シーズン、ブリ男さんからプレゼント(たぶん)されたものだ。今では僕のバイクに欠かせないパーツの一部だ。それとゆーサーモンさんから所有権が正式に譲渡された伝説のサドルもね。

 風は、往路の一部を除きほぼアゲインスト。復路がフォローだ。力のある選手は、向かい風をものともせずにグイグイと進んでいく。例えば女子総合優勝の小林恵さんが良い例だ。向かい風の直線で、彼女に事もなく抜かれた時に力量差を痛感した。しかも彼女、左肩を故障してたんじゃなかったっけ?

 3周目の復路、折り返しを過ぎた辺りから左の足首の内側が痛んだ。頑張りすぎてアンクリングが入ったのか、左右のペダルバランスの問題か。これがランパートの悩みになるとはこのときは露とも思わなかった・・・。
 フォローの風が背中を押した。ランを意識して息を整えて降車ポイントへ。目標からはちょっとだけはみ出したが、スイムに続いてバイクも上手くクリアできたと思った。

 しかしトランジションではラックを一列間違うという痛恨のミス。昨年はバイクの掛け方をマーシャルに指摘され修正を求められた。今年はセッティングの際にマーシャルにバイクの掛け方を確認し、その点は大丈夫だったのだが…。

 支度を整えランコースへ向かうその途中、リレーのスイムパートに招聘されたH澤さんから思いがけず声援を頂く。バイクの折り返し地点と言いここでも!仲間からの声援は励みになる。グッと気を引き締めてコースへ向かった。

 ランは相変わらず脚が上がらない感覚が先行する。けれどブリックランを何本かやっていたので折り込み済み。オーバーペースにならなければ時間の経過でコントロールが効くはずだった。
 勢いに任せた入りの1kmは4分40秒。ここまでほぼ予定通り。そして、ここからじわっと4分半に近づくようにペースを上げて行く計画だったのだが・・・。
 以降が全然ダメ。左の足首が踏むたびに痛む。気になって仕方ない。もしかすると、まさかのリタイヤ?一瞬、本気で脳裏を掠めた。それほどに左足首の痛みが気になってしまう。家内にはランで飛ばすからねー、と宣言するほど自信のパートだっただけにまさかの失速。悔しくて仕方がない。
 落ちるペースに歯止めが利かず、コースの手前にいた家内に思わず、足が痛くて上がんなーい、と泣き言を吐いてしまった。

 2周目の周回ゾーンでリレーのKさんと併走し声援を貰う。左の足の感覚にほとほと参っていた。周回コースなのでアベタケ先輩はじめ、ジョーさん、恵さん、鉄女ママ、皆とすれ違い声を掛け合う
 このままではイカン、なんとかせねば。
 脚を前に出そうとする意識が強すぎかと思い、着地イメージを修正した。すると6km通過、2周目の後半で僅かにペースが上向き、かろうじて5分を切る時計がでた。足首の痛みは和らぎ、いける感じになってきた。

 3周目はちょっとでも上げるつもりでピッチを意識した。重心着地、腰を高くキープ。頭を下げてアスファルトに視線を落とし、走ることに集中する。フィニッシュはもうすぐそこ。なんであれいつも通りに走ればよいのだ。

嫁スポーツ撮影

 計画通りとはいかなかったけれど、久々のPB、笑顔でフィニッシュ!
  
エイジ2位のアベタケさん、女子総合優勝の恵さんと


年代2位の鉄女ママと

 ふるまいカレーを皆で美味しく頂いた後、トランジションの始末をして自走の準備をする。
 アベタケ先輩には、余力を残すからダメなんだぞー、とド正論を突きつけられ、その件につきましてはゴニョゴニョ・・・おっしゃる通り、ぐうの音も出ません反省します、気をつけますと言いつつ、心の中でも何度も反芻した。僕に足りない何かはきっとこれなんだろうな。

 帰路は村上トライアスロンクラブのトレインに乗っかって村上市を目指す。僕を含めた6名にサポートカー付きという万全な体制だ。やんわりいくよーと、I藤さんから伺っていたけれど、それはまったくの偽りでとんでもない超特急。
 112号線、海岸通りに出ると列車は更に加速する。付き位置で皆さんから引いて頂き、ふるまいカレーも効いてきて体力は蘇る。
 新潟県境に近づくにつれ雨がポツポツ降ってきて、トライスーツ1枚の僕はパンイチとなんら変わらず、動いてないとちと寒い。
 勝木のコンビニから村上へ向かう途中、笹川流れでエネルギー切れを起こしそうになり、桑川の道の駅で急きょの補給を挟んみ、PM4時、無事、村上体育館に到着。
 酒田から102km。実走時間3時間と10数分。

 雨は降ったり止んだりだったので、帰路を心配してくれたI藤さんが車を出してくれて、村上市体育館から自宅まで送って頂くという、ありがたいサポートを頂戴する。
 帰宅してからは碌に確認していなかったリザルトが気になり悶々としつつも、チョー楽しかったぁ!を連呼していたら、それ何度目?と家内に厭きられた。

 翌日。お昼休み時間にリザルトを覗き、思わず声が出る。
 たとえ分母が少なくても1桁順位とはいいものだ。来年へのモチベーションがグッと上がり、すぐさまアベタケ先輩の台詞が頭の中をグルグル廻る。ムムム。
  志向の変化を促すチャンスをくれた、4度目のみなと酒田トライアスロンでした。(了)


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