2013年5月31日金曜日

’13年5月末、由布岳のこと。

 研修で福岡に滞在した。

 自由行動を許された2日目。博多から高速道を使い大分へ。目指すは別府。梅雨入りしたての福岡の空は鉛色だったが、大分に到着する頃には抜けるような青空が広がっていた。
 現地の気温は30℃。別府の街と湾を望む山間のその場所はどこからともなく涼しい風が吹き、ほんのり硫黄の香りを運ぶ。
 風に揺れる葉音、野鳥の鳴き声そして蝉の音もあった。
 ぼくは梅雨入りした九州の地で一足早く夏を感じた。

由布岳
 そびえる由布岳が心を奪われるほど美しかった。
 それは見慣れた新潟の山々とはまるで異なる円錐形だ。接近するほどに豊後富士と呼ばれる理由がわかる気がした。
 
 国道沿いの登山口で車を停めその尾根にあたる野原を歩んだ。  車で移動しながら眺めているときには全く想像できなかったけれど、草に覆われた山肌と点在する黒い岩が過去にそこで何があったかを物語っていた。由布岳自体が人間の制御などものともしない巨大な自然の力が働いて形成された産物であることが皮膚の感覚として伝わってくる。荘厳だった。別府、湯布院など周辺の温泉は今でも山々が静かに息をする証なのだ。

 と、まじめに語ってみたがこの日はご覧の通り絶好のジョグ日和。ラン装備をもってこなかったぼくは一生の不覚。限りない後悔をしながら、悔し紛れに溶岩石を一つ拾った。

I Shall Return.

 いつか必ずここを走りたいと思う。叶うのであれば眼前の頂上に向って。


5/31までの走行距離・・・225km

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