2012年9月7日金曜日

H24.9月 最初の週末のこと

 9/1(土)午前1時過ぎ。突然目が覚めて眠れない。まんじりともせず横たわっていると外は涼しいはずだから走っちゃおうかと思いつく。そう考え始めると止まらない。一人きりの夜走行の始まりだ。月明かりが道路を照らし、走るのことに支障はなかった。福島潟駅伝コースを4周とその辺をプラプラして15km。帰宅は午前3時を過ぎていた。久々の深夜徘徊だった。シャワーを浴び体を横にするとすぐに眠りに落ちる。で、気がつくと朝5時前。習慣とは恐ろしいものだ。いつもの起床時刻に目覚がめる。仕方ないので5kmジョグ。翌日もあるのでこの日のトレはこれで終了。

 翌9/2(日)。笹川流れ30km走に挑戦。午前7時に瀬波上町の交差点からスタート。岩が崎を越えると正面に粟島がくっきりとその輪郭を現している。空は澄みわたっていた。
 遠くに見える浜辺からはいく条もの煙が見えた。何だろう?と思いながら進む。国道沿いには大小様々な形の田んぼが並んでいて、空にはたくさんのトンボが群れて飛んでいる。稲が朝の陽光に照らされて金色に輝き、そのほんの少し上を飛ぶトンボの羽根が銀色に燦めいていた。時折トンボの群れが海風に乗り浜から山の方へ流れるように飛んで行く。それを横切るように僕は走りつづけた。

 時間の経過と共にじわじわと陽射しが強くなってゆく。僕は日陰を捜しながら走った。ようやく上海府(カミカイフ)に辿りついたとき、先ほどの煙の正体に出くわす。浜辺に打ち捨てられた廃材、海水浴に訪れた人々が残していったのであろうゴミをクマの手でかき集め浜辺で焼いていたのだった。幾分塩気を含んだ、燻された煙の匂いがあたりに漂って鼻をついた。海水浴で賑わっていた浜辺から人々は消え歓声はもう聞こえない。穏やかな波音と夏の残骸が燃える匂いがあった。

 桑川付近から竿をシャくる釣り人が多くなる。ターゲットはアオリイカ。エギングシーズンの幕開けだ。2年前なら確実に僕もその中に混ざっていただろう。国道の橋から釣ることのできるポイントで同長(どうちょう)8cmぐらいのがあがっていた。うしろ髪を引かれる思いで横を走り抜けた。
 桑川からいくつかの短いトンネルを抜けベースキャンプの板貝(いたがい)に到着。ここまで概ね2時間。少し色あせたパラソルが浜辺にひっそりと立ち、離れたところで子供達が2人きりで砂遊びをしていた。僕はアミノ酸と水分を補給して再び走り出す。もう、いくら探しても夏の喧騒はなかった。僕だけが夏を忘れられずに海岸線を走っているようだった

僕は折り返してベースキャンプへ戻った。シューズを脱ぎ捨ておもいっきり海に飛び込んだ。この爽快感が忘れられなくて、笹川流れを好んで走るのかもしれない。今年最後の海水浴を楽しみ、弱まることを知らない陽射しに全身をたっぷり焼かれることにした。


9/6までの走行距離・・・60km

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